ドラマ好きの何が悪い
「あ、シュンキさん。おはよう。散らかってるけどよかったら上がって。」

自分の頬が上気しているのがわかった。

前髪のピン取っておいてよかったと思う。

さすがにアラフォー、ノーメイクで顔全開は罪な年頃だ。

「おはよう。急にごめん。」

シュンキは申し訳なさそうに玄関に入ってきた。

とりあえずリビングまで入ってもらう。

「コーヒーでいい?」

「あ、ありがとう。お気遣いなく。」

シュンキはそう言うと、ソファーに座った。

「お気遣いなくって言う割には突然の訪問ね。」

私はお湯を沸かしながら笑った。

でも、なんだか嬉しい。

休日の一人は、やっぱりなかなか慣れなかったから。

「今日は、ミナミさん何か予定ある?」

「ううん、ないよ。」

「ドラマは?」

「別に見なくても大丈夫。最近不思議なんだけど前ほどドラマ中毒じゃなくなったの。」

「どうして?」

「どうしてだろ。ドラマ見てても張り合いがないっていうか。」

「張り合いがない?」

そう言ってからしまったと思う。

まるでカイトが来ないからみたいじゃない?

「別に、なんていうか、ドラマ以外のことにも色々興味がわいてきたっていうか。」

「そうなんだ。」

「うん。とりあえずそういうことにしておいて。」

そう言いながらシュンキの前に湯気が立ち上るコーヒーを置いた。

「ありがとう。」

「っていうか、今日は私は暇だけどシュンキさんは?」

「僕も急に仕事がキャンセルになって時間ができたから、ミナミさんはどうしてるかな?と思って。」

そうなんだー。

こんな朝早くから訪問して確かめに来てくれるなんて、なんて嬉しいの。

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