ドラマ好きの何が悪い
「そりゃ色々だよ。いいとこも悪いとこも。」

「悪いとこって何?」

「言わない~。」

カイトは意地悪な顔をして、ソファーから立ち上がった。

「俺、そろそろ帰るわ。親友と早速連絡とってみるからさ。また連絡する。」

カイトはコーヒーカップをキッチンの流しの下に置くと、「ごちそうさま」と笑って玄関から出ていった。


流しの下にカップを置くのも定例化。

そういうとこも律儀っていうか。



それにしても、まさかカイトから男を紹介されるだなんて思ってもみなかった。

よく考えたら、こんなけ親しいカイトに紹介してもらったことなんて一度もない。

合コン話すらなかったよな。

普通なら、ありそうだもんね。

研究職で真面目で優しいだなんて、結婚相手にするには最高な部類じゃない?

週末、朝ご飯与えてた甲斐がようやくあったって感じ。

カイトも粋なことするじゃん。

再生ボタンを押しながら、一人にやけた。


紹介だなんて、この年になったらなかなかないもんね。

楽しみだわ。

カフェオレに口をつけながら、テレビ画面に大写しになった大好きな俳優さんの顔をうっとりと眺めた。
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