ドラマ好きの何が悪い
12章 ドラマ好き信じることが恐くなる
あれからしばらく経ち、私の腰の痛みはすっかり治った。
シュンキが快気祝いをしようと言ってくれたので、久しぶりにシュンキと待ち合わせをしている。
車に長時間乗ってると腰に響くから、と今回は電車で行けるところになった。
それなら前から観たかったルノアール展に行きたい!と私のわがままを聞いてもらったんだ。
待ち合わせの時計台。
既にシュンキの姿があった。
珍しくスマホをじっといじっているシュンキ。
私がそばに着くまで気づいてくれなかった。
「シュンキさん。」
私が声をかけてようやく顔を上げた。
「あ、ごめん。久しぶりだね。」
「うん、久しぶり。今日は色々と気を遣ってもらってごめんね。」
「全然。腰の具合はどう?」
「もうすっかり大丈夫よ。先生のお墨付きもらったから。」
「そっか、よかった。あの時はどうなるかと思ったよ。」
シュンキは思い出して笑った。
「ほんとだよね。もう動けなくなるかと思うくらいの痛さだったもん。」
「僕も冷静に勤めようと必死だったけど、かなり焦ってたんだ。」
「え?そうなの?いつも冷静沈着だなぁって感心してたのに。」
「そんなこともないよ。ポーカーフェイスなだけで。結構裏の顔はいつも冷や汗かいてるんだ。」
「へー、意外。」
シュンキとの会話はいつも和やかだ。安心する。
こちらの嫌なことは一つも言わない。
カイトと違って。
「じゃ、行こうか。あっちかな?」
シュンキはスマホで地図を見ているようだった。
さっきシュンキは私に気づかないくらいに夢中になってスマホを観ていたのはそういうことだったのかもしれない。
シュンキが快気祝いをしようと言ってくれたので、久しぶりにシュンキと待ち合わせをしている。
車に長時間乗ってると腰に響くから、と今回は電車で行けるところになった。
それなら前から観たかったルノアール展に行きたい!と私のわがままを聞いてもらったんだ。
待ち合わせの時計台。
既にシュンキの姿があった。
珍しくスマホをじっといじっているシュンキ。
私がそばに着くまで気づいてくれなかった。
「シュンキさん。」
私が声をかけてようやく顔を上げた。
「あ、ごめん。久しぶりだね。」
「うん、久しぶり。今日は色々と気を遣ってもらってごめんね。」
「全然。腰の具合はどう?」
「もうすっかり大丈夫よ。先生のお墨付きもらったから。」
「そっか、よかった。あの時はどうなるかと思ったよ。」
シュンキは思い出して笑った。
「ほんとだよね。もう動けなくなるかと思うくらいの痛さだったもん。」
「僕も冷静に勤めようと必死だったけど、かなり焦ってたんだ。」
「え?そうなの?いつも冷静沈着だなぁって感心してたのに。」
「そんなこともないよ。ポーカーフェイスなだけで。結構裏の顔はいつも冷や汗かいてるんだ。」
「へー、意外。」
シュンキとの会話はいつも和やかだ。安心する。
こちらの嫌なことは一つも言わない。
カイトと違って。
「じゃ、行こうか。あっちかな?」
シュンキはスマホで地図を見ているようだった。
さっきシュンキは私に気づかないくらいに夢中になってスマホを観ていたのはそういうことだったのかもしれない。