ドラマ好きの何が悪い
「実はさ、」

思い切って切り出した。

「昨日、ハルカと飲みに行った後入ったカフェで見ちゃったんだ。シュンキと元カノさんが二人でカフェに入ってきたの。」

「え、まじで?」

カイトは目を大きく見開いて身を乗り出した。

「お前、老眼進んでて見間違えたんじゃないの?」

「こんな時にそんなくだらない冗談言わないでよ。」

「なんか俺もショックだな。」

「どうしてカイトがショックなのよ。」

「俺だってシュンキを信じたかったからさ。長年付き合ってきて、そんな嘘つかれたことなかったから。」

確かに、シュンキって嘘つくようなタイプじゃない。

「訳あってたまたま一緒にいるところを目撃したとか?」

カイトは、足下を見つめながらつぶやくように言った。

「だけど、シュンキっていつも夜になると仕事が残ってるって職場に戻るの。例えどんな遅い時間でも。」

「毎回?」

「毎回。」

「それは変だよな。」

「おかしいでしょ、やっぱり。」

私はカイトが入れてくれたお水を少し飲んだ。

「俺から、シュンキに聞いてみるよ。」

「本当?」

「俺もシュンキをお前に紹介した手前、その辺は責任とらなきゃなんないし。ミナミはシュンキのこと好きなんだよな?」

何度も確認するカイトになんとなく後ろめたい気持ちになる。

そんなカイトに軽く頷いた。


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