ドラマ好きの何が悪い
「そうだなぁ。」

カイトはほおづえをついてしばらく考えていた。

「ハルカちゃんみたいなかわいくて気の利く女性かな。」

そう言いながら、ほおづえをついたまま、上目づかいにハルカを見た。

相変わらず、女好き要素満載の手口。

そして、まんまとその手口にだまされているハルカは、顔を真っ赤にして口を押さえた。

「冗談言わないで下さいよぉ。」

必死に平静を装うハルカは、逆にとても愛しくかわいかった。

「おっさんが、色気づいた口説き方すんなって。」

私は間髪入れずに突っ込む。

「ババ-に言われたくないね。」

カイトは速攻言い返した。

「ね、ハルカちゃん、今度デートしよ。俺、今別れたばっかで寂しいんだよね。」

うわ。

サイテー。

こいつの口車に乗せられて、えらいことになった女性何人も見てきてるからねぇ。

「ハルカ、表面上の付き合いだけで終わりなさいよ。こいつ、かなりやばいから。」

「何いってんだよ。俺ほど紳士的な男性はいないって。ハルカちゃん、気にしなくていいよ。どう、来週の日曜あたり?」

「え?本当ですか?本気にしちゃいますよー。」

ハルカはそう言いながら、嬉しそうに笑った。

そして、カイトはニヤニヤしながら私を見ていた。

「ハルカ、私は一応忠告はしたからね。」

ハルカに念押しをして、またワインを飲んだ。

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