ドラマ好きの何が悪い
「ここまで来たら、信じてあげるしかないよ。もし信じれないなら、はっきりとその気持ち相手に伝えて話合ったらいいんじゃない?」

またもや、カズエの目が潤んできた。

「私ができるのはここまで。あとは夫婦の問題だよ。大丈夫!しっかり話しておいでよ。」

人に言うのはたやすい。

自分で実行に移すのはすごく辛い。

それは、言いながら分かってた。

だけど、これ以上私が踏み込んじゃいけないことも分かってる。

カズエはようやく大きく頷いた。

「大丈夫ね?またいつでも相談のるから。」

「ありがとう。今日はきっかけ作ってもらえて本当に助かったわ。」

「お役に立ててなにより。」

私は笑って紅茶に口をつけた。

運ばれて来た時は熱々だったのに、もう随分冷えてしまった。

「またどうだったか教えてね。」

「うん、また電話する。」

そして、私たちは家路に戻っていった。
< 55 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop