ドラマ好きの何が悪い
「それにしても、私たち二人、一気に恋愛モードに切りかわったよね。」

ハルカと二人、パスタを頬ばりながら頷く。

「すごくいい感じに進んでるよね。ハルカはカイト、私はシュンキ。」

「しかも二人ともイケメンだし。」

顔を見合わせて、二人で声を殺して笑う。

こういう時、どっちかだけが幸せだと微妙なんだけど、二人して幸せだとこれ以上の喜びはない。

幸せ気分をどこまでも突き進んで宇宙へ行ってしまうんじゃないかってくらいの勢いだ。

「ねーねー、最初のデートはどこへ行く予定なの?」

私はニヤニヤ笑いながらハルカに尋ねた。

「そうねぇ。今回は立花さんにお任せなんだ。とりあえず車で迎えに来てくれるって。」

「うわ、いやらしい。」

「何がいやらしいのよー。」

そう返すハルカの頬はピンクに染まってとても愛らしかった。

「だってさ、いきなり車だなんて、二人きりの密室状態。しかも遠出じゃん。」

「うわ、本当だー。やばいなぁ。」

「カイト、ほんとに手が早いから気をつけてよー。」

「でも、」

急にハルカの声のトーンが下がって黙った。

「ん?」

パスタを口に入れながら、ハルカの顔をのぞき込む。

「やっぱり、立花さんは私とのこともミナミ先輩にしゃべっちゃうっていうか、筒抜けになっちゃうのかな。」

あ。

そういえば。カイトもそれは嫌そうだったな。

お互い、よく知った仲だから、そのこと心配なわけね。

「安心して。その点はカイトからも筒抜けにならないよう気をつけるみたいだし。」

「その点って、もうそんな話したの?」

「いや、まぁ。」

思わずしどろもどろになる。

「だから、シュンキのことでちょっと相談に乗ってもらっててさ、その時にそういう話に少しなっただけ。」

「本当?」

「ほんとだって。」

「立花さんとミナミ先輩、なんだかんだ言って仲良しだからな。ちょっと心配だわ。」

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