ドラマ好きの何が悪い
シュンキは「う~ん」と考えていた。

「好きになっちゃいけない人を好きになったことがあった。」

笑顔だったけど目の色は沈んでいた。

聞いちゃいけなかったかな。

少し後悔する。

「私も忘れられない恋愛があるの。」

話題を変えるべく、自分から切り出した。

「へー、どんなだったの?」

シュンキは組んでいた足を組み替えた。

「社会人になってすぐだったかなぁ。私たち同期はすごく仲がよくてね。週末ごとに皆で出かけて遊んでたの。もちろんその中にカイトもいたんだけどね。」

「確かカイトもそんなこと言ってたよ。僕もその当時しょっちゅうカイトに振られてた。」

そう言って、シュンキは笑った。

「うん。私の恋愛の相手は、その同期の一人だったんだ。ものすごく頭のいい人で将来エリートコース約束されてるような人だった。」

「そうなんだ。」

「同期皆には知られないようにこっそり付き合ってたの。でも、実際には皆に知られてたみたいなんだけどね。」

「よくあるよね、当人たちだけが知られてないって思ってるの。」

「とても優しくて明るくて、皆の人気者だったのよ、その人。私にはもったいないくらい。カイトにもしょっちゅう何でミナミとなんか付き合ってんだ?血迷ったか?なんて失礼なこといっぱい言われてた。」

シュンキは頷きながら笑った。

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