ドラマ好きの何が悪い
ハヤシライスを食べ終わって、テーブルにお皿を置いたまま、やっぱり疲れていたのかそのままソファーで寝てしまった。


朝、ゆっくりと起きた。

いつもよりも遅い時間。

時計を見ると8時半だった。

ソファーで寝たからか体が痛い。

大きな伸びをしながらリビングのカーテンを開けた。

シャワーを浴びて、いつものようにソファーに座ってテレビをつける。

静かな朝。

でも、何かが足りないような気がした。

そうそう、ドラマを見るんだったわ。

湯沸かし器をつけて、パンを焼いた。

テーブルにパンとコーヒーを置いて、ソファーに座る。

撮り貯めしていたドラマを再生した。

時計を見る、9時か。

嫌だ、なんだかドラマに全く集中できてない。

やけにテレビの音量が大きいような気がして、少し小さくした。

あまり気にしたことなかったのに、今一人でこうやってドラマを見てることに寂しさを覚える。

一人ぼっちだ。

私。

昨日シュンキと二人で楽しい時間を過ごしたせいだろうか。

それともいつもやってくる、厚かましいいあいつが今日は来ないからだろうか。

やけに一人ぼっちが浮き彫りになって、落ち着かない。

カイト、なんだかんだ言って、やっぱり来るんじゃないだろうか。

ピンポーン ピンポーンってけたたましく玄関が鳴るような気がして、ドラマを一時停止した。

でも、鳴らなかった。

「ま、鳴らないよね。来るなって言ったのは私だし。」

思わず口からポツリとこぼれた。





< 86 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop