黒い天使。
「久しぶりだね」

「うん。久しぶり」

「2年ぶりぐらいかな?いきなり会えなくなって心配した」

「ごめんなさい」


本気で心配したという顔に申し訳なさが募った。


「なんで、彼方くんはここに?」


私は何も考えずに聞いてしまったんだ。
そして、耳を疑った。


「あぁ、ここの近くに''心雪の旦那''の実家があるんだ」

一瞬聞き間違いかと思った。

「心雪さんの旦那さん?」

「そう。心雪の旦那」

「え?心雪さんて、彼方くんのお嫁さんじゃないの?!」

「え?…心雪はおれの、妹…だよ?」


衝撃の事実だった。
私は2年間信じていた。いや、それ以上だ。

「うそ…」

「え?そんな勘違いしてたの?!」


そう言われれば、顔も似ていたし、私のことウェルカムな雰囲気だった。

「え。私の勘違い…?」
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