黒い天使。
「俺は咲愛ちゃんに運命感じたんだけどなぁ」


なんて、微笑みながらいうから。
なんだか全力で殴りたくなった。


「本気になったらどうすんのー?」

「全部受け止める」


次は真剣な顔に変わる。

だから不覚にもドキッとしてしまったんだ。

こんなタイプ初めてだな。


「あははっ。ありがと!でも、私は重いんだぞー。かなたくんには、受け止められないね!」

「あのねぇ、さなちゃん。忘れてるかもしれないけど、おれ一応28なわけ。君よりも年上なんだからね?」

あどけなさの残るような顔立ちは、どう見ても28には見えなくて。
でも、免許証で確認済み。
きっと、この優しい雰囲気もあるのだろうと少し微笑む。

すると、少し首を傾けて、どうしたの?というふうに見つめてくるこの瞳は狡いと思うんだ。
< 5 / 167 >

この作品をシェア

pagetop