黒い天使。
ご飯の片付けは亮がやってくれて。


「ねーちゃーん!」

「なーにー?」

「風呂の洗剤どれー?!」

「バス〇ジックリンー」

「おけおけ!」


きっと気を使ってくれてるんだろう。
さっきの話には触れてこないし、手伝ってくれる。

お風呂を沸かす間、二人でまったりした。

それでも、思い出すのはさっきの事ばかり。


あれ、私ってもっとサバサバした性格じゃなかったっけ。


「ねぇ、亮」

「ん?何?」

「あたしってさ、どんな性格だった?」

「んー。身内以外にはドライかな。こんなに一生懸命だったのは初めて見たかも」


薄く微笑みながら、亮は言った。

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