黒い天使。
背中をぽんぽんと叩く亮の温かい手に、家族の温かさを感じた。


「うん。…でも、諦めなきゃいけないのはホントだし、私、汚れてるから」

「姉ちゃんは汚れてなんかねぇよ!」


亮は力強く私に言った。


「あ、りがと」


その一言しか口から出なくて。
でも、その一言に私の気持ちすべてが込められていた。

泣きそうだったけど、ぐっと我慢した。
< 93 / 167 >

この作品をシェア

pagetop