社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
「そういえば仁美さん、新婚さんでしたよね?」
「はい。でも、もう半年経ちましたけどね」
幸せそうに声を弾ませて答えてくれた。
「旦那さんはお仕事に理解があるんですね」
「そうですね、だからこそ彼と結婚したんだと思います。蓮井さんは……って、失礼しました。お客様に私から聞くべきじゃなかったですね。話しやすくてつい」
「いいんですよ、気にしないでください。気を遣わないでください」
慌てた私に「ありががとうございます」と手を止めた仁美さんが頭を下げた。
「実は私、もうずっと恋愛してないんですよ。最後に彼氏がいたのは……八年前。社会人になってすぐくらいだったと思います。それから仕事を言い訳にして片思いもしてないんです」
「そうなんですか……でも、お仕事を頑張る女性も素敵ですよ。それに恋愛は回数じゃありませんから」
「そうですよね……そうだといいですけど」
「絶対そうですよ!」
力強く言う仁美さんを見て、肩を揺らして笑ってしまう。
「仁美さんは『話しやすい』って言ってくれましたけど、会社ではそうは思われてないんですよね、私。いつも気を張っているせいか、冷たく思われるみたいで」
「本当ですか? そんな風にみえないですけど」
目元と声で彼女が驚いているのがわかる。マスクをしているのに仁美さんの感情はよくわかる。
「はい。でも、もう半年経ちましたけどね」
幸せそうに声を弾ませて答えてくれた。
「旦那さんはお仕事に理解があるんですね」
「そうですね、だからこそ彼と結婚したんだと思います。蓮井さんは……って、失礼しました。お客様に私から聞くべきじゃなかったですね。話しやすくてつい」
「いいんですよ、気にしないでください。気を遣わないでください」
慌てた私に「ありががとうございます」と手を止めた仁美さんが頭を下げた。
「実は私、もうずっと恋愛してないんですよ。最後に彼氏がいたのは……八年前。社会人になってすぐくらいだったと思います。それから仕事を言い訳にして片思いもしてないんです」
「そうなんですか……でも、お仕事を頑張る女性も素敵ですよ。それに恋愛は回数じゃありませんから」
「そうですよね……そうだといいですけど」
「絶対そうですよ!」
力強く言う仁美さんを見て、肩を揺らして笑ってしまう。
「仁美さんは『話しやすい』って言ってくれましたけど、会社ではそうは思われてないんですよね、私。いつも気を張っているせいか、冷たく思われるみたいで」
「本当ですか? そんな風にみえないですけど」
目元と声で彼女が驚いているのがわかる。マスクをしているのに仁美さんの感情はよくわかる。