社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
クーラーの効いていた店から出ると、すぐにきつい日差しが私にふりそそぐ。
私は足早に駅の方に向かう。少し歩いただけでも、じんわりと汗がにじんできた。
しばらく歩くと、若林くんへのそっけない態度に少し後悔する。
彼だって、わざと聞いたわけではない。本当にたまたま手伝いに来ていた場所で、たまたま会社の先輩がお客さんとしていただけだ。
なのに、あんな態度を取られて不快に思ったに違いない。
「はぁ……」
自分の不器用さにため息をついた。ちゃんとした大人ならああいった場面、さらっとかわせるはずだ。
時刻は間もなく正午になるところだ。朝とは違って多くの人で街は溢れていた。
もう一度ため息をついて、トボトボと歩いていると誰かに背後から肩を掴まれた。
「きゃぁ!」
「す、すみませんっ!」
私の声に驚いた相手がパッと手を離した。振り返りその相手の顔を見て、私はもっと驚いた。
「わ、若林くん……」
ここまで走ってきたのだろうか、息が少し上がっていて、額にはうっすらと汗がにじんでいた。
そして彼の手には、私の日傘が握られている。
「すいません。驚かせるつもりはなかったんですけど、これ忘れてたんで」
日傘を笑顔で差し出してくれた。
私は足早に駅の方に向かう。少し歩いただけでも、じんわりと汗がにじんできた。
しばらく歩くと、若林くんへのそっけない態度に少し後悔する。
彼だって、わざと聞いたわけではない。本当にたまたま手伝いに来ていた場所で、たまたま会社の先輩がお客さんとしていただけだ。
なのに、あんな態度を取られて不快に思ったに違いない。
「はぁ……」
自分の不器用さにため息をついた。ちゃんとした大人ならああいった場面、さらっとかわせるはずだ。
時刻は間もなく正午になるところだ。朝とは違って多くの人で街は溢れていた。
もう一度ため息をついて、トボトボと歩いていると誰かに背後から肩を掴まれた。
「きゃぁ!」
「す、すみませんっ!」
私の声に驚いた相手がパッと手を離した。振り返りその相手の顔を見て、私はもっと驚いた。
「わ、若林くん……」
ここまで走ってきたのだろうか、息が少し上がっていて、額にはうっすらと汗がにじんでいた。
そして彼の手には、私の日傘が握られている。
「すいません。驚かせるつもりはなかったんですけど、これ忘れてたんで」
日傘を笑顔で差し出してくれた。