社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
何気なくとれるそういう態度は、すぐに身につくものではない。ちゃんとした恋愛経験を重ねてきたことをうかがわせた。
思い返せば、私よりも七つも年下なのに、全然そんな風に感じない。
たしかに「若いなぁ」と思うこともあるけれど、同年代の男の子よりも落ち着いた雰囲気のせいか彼といると、若い子のエネルギーに押されて気疲れするようなことはなかった。
気疲れどころか……心地よささえ感じている。
「しかし、暑いな」
水の入ったグラスを口元に持っていき、彼が一口のんだ。
じっと見ているわけにはいかず、首元に視線を移すと、男らしい喉仏が上下するのを見て緊張してしまう。
急に目の前の人物が、後輩から男性にかわったような気がした。
ドキンと音を立てた自分の胸にうろたえた。
それを悟られないように、私も氷の入った冷たい水に手を伸ばした。
「姉の……」
「えっ?」
急に話かけられて、ビクッとしてしまう。一緒に食事をするのだから会話があってあたりまえなのに。
「姉の、店には以前から通われているんですか?」
「あ、うん。もう二年になるかな」
「そんなに前からとは、驚きました。姉が常連だって言っていたの、嘘じゃなかったんですね」
少し驚いたような表情を見せた後、嬉しそうな顔をしていた。その表情から仁美さんとの仲の良さがうかがえた。
思い返せば、私よりも七つも年下なのに、全然そんな風に感じない。
たしかに「若いなぁ」と思うこともあるけれど、同年代の男の子よりも落ち着いた雰囲気のせいか彼といると、若い子のエネルギーに押されて気疲れするようなことはなかった。
気疲れどころか……心地よささえ感じている。
「しかし、暑いな」
水の入ったグラスを口元に持っていき、彼が一口のんだ。
じっと見ているわけにはいかず、首元に視線を移すと、男らしい喉仏が上下するのを見て緊張してしまう。
急に目の前の人物が、後輩から男性にかわったような気がした。
ドキンと音を立てた自分の胸にうろたえた。
それを悟られないように、私も氷の入った冷たい水に手を伸ばした。
「姉の……」
「えっ?」
急に話かけられて、ビクッとしてしまう。一緒に食事をするのだから会話があってあたりまえなのに。
「姉の、店には以前から通われているんですか?」
「あ、うん。もう二年になるかな」
「そんなに前からとは、驚きました。姉が常連だって言っていたの、嘘じゃなかったんですね」
少し驚いたような表情を見せた後、嬉しそうな顔をしていた。その表情から仁美さんとの仲の良さがうかがえた。