社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
湯気が立ち上るオムライスには、赤いトマトソース。それとお皿からはみ出しそうな大きなエビフライが乗っていた。

「わぁ、すごい!」

写真通りのボリュームに思わず声をあげてしまった。

「そうでしょう。味も保証します」

そんな私たちの会話を着ていた店員さんが笑みを浮かべ「ごゆっくりどうぞ」と言い、戻って行った。

「どうぞ」

かごに入っていた、スプーンを若林くんが差し出してくれた。私はそれをお礼を言って受け取って、から両手を合わせた。

目の前では若林くんが、同じように手を合わせている。

ふたり同時に「いただきます」というと、お互い一番にオムライスにスプーンを入れた。

厚めの柔らかい卵の中から、オレンジ色のご飯が見えた。中から湯気が立ち上り食欲をそそる。

スプーンに一口ぶんのせて、少しさましてから口に運ぶ。

ふんわりとした卵からバターの香りが鼻にぬけて、その後にしっかりとしたチキンライスの味が口の中に広がった。

「んー! おいしい」
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