社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
思わず声を上げた私を見て、若林くんがまるで自分が作ったかのように言う。
「美味いでしょう? オレ、オムライスはこここのが一番美味いと思ってるんです」
「うん。確かにそうかも。大きいと思ったけど、これなら食べられそう」
思わず満面の笑みを浮かべた私が、若林くんに顔を向けると、彼も同じ表情をしていた。
お互い笑顔で見つめ合う。おいしいオムライスのおかげで、それまで私ひとり感じていた気まずさは消えていた。
「冷めないうちに食べてしまいましょう。ほら、エビフライもおいしいですよ」
フォークを差し出されて、それを受け取る。
「ありがとう。若林くんて、なんか……こう。女の人の扱いに慣れてるね」
彼のプライベートに踏み込むようで聞きづらかったことを聞いてみた。
気を悪くしないかと彼の様子を窺う。
「そうですか? 今までそんなこと気にしたことなかったから考えたことなかったですけど、もしそうだとしたらきっと……うちの家族、俺以外は女だけなんです」
いいづらそうに苦笑いを浮かべると、話を続けた。
「うち、父親がオレの小さい頃に亡くなって、祖母、母、姉の三人とオレで暮らしてるんです。そのせいか女性に対しての抵抗があまりないせいで、そんな風に感じるのかもしれませんね」
「そうだったの……」
話しづらいことを聞いてしまったことを申し訳なく思う。
眉尻を下げた私を見て、若林くんが慌てた様子を見せた。
「美味いでしょう? オレ、オムライスはこここのが一番美味いと思ってるんです」
「うん。確かにそうかも。大きいと思ったけど、これなら食べられそう」
思わず満面の笑みを浮かべた私が、若林くんに顔を向けると、彼も同じ表情をしていた。
お互い笑顔で見つめ合う。おいしいオムライスのおかげで、それまで私ひとり感じていた気まずさは消えていた。
「冷めないうちに食べてしまいましょう。ほら、エビフライもおいしいですよ」
フォークを差し出されて、それを受け取る。
「ありがとう。若林くんて、なんか……こう。女の人の扱いに慣れてるね」
彼のプライベートに踏み込むようで聞きづらかったことを聞いてみた。
気を悪くしないかと彼の様子を窺う。
「そうですか? 今までそんなこと気にしたことなかったから考えたことなかったですけど、もしそうだとしたらきっと……うちの家族、俺以外は女だけなんです」
いいづらそうに苦笑いを浮かべると、話を続けた。
「うち、父親がオレの小さい頃に亡くなって、祖母、母、姉の三人とオレで暮らしてるんです。そのせいか女性に対しての抵抗があまりないせいで、そんな風に感じるのかもしれませんね」
「そうだったの……」
話しづらいことを聞いてしまったことを申し訳なく思う。
眉尻を下げた私を見て、若林くんが慌てた様子を見せた。