社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
「蓮井、ちょっといいか?」
「はい」
私はすぐに衣川くん、いや衣川課長のデスクへと向かった。
衣川課長と私は同期入社だ。
新卒で本社営業部に配属になったのは彼と私のふたり。途中彼が名古屋に転勤になった時期もあったけれど、こちらに戻ってきてからも同期のよしみで話をする機会は割と多いほうだ。
「この今月の営業施策の件なんだが」
「あぁ、それですが他の方からの問い合わせが多いみたいで、本日の午後に部長の名前で通達がでることになっていますが、今説明しましょうか?」
「いや、今日わかるなら通達を待つ。お前も仕事で忙しいだろう」
「お気遣いありがとうございます。では」
私は軽く頭を下げると、営業部のコピーブースへと向かった。
衣川課長とは比較的話やすい。
彼も私と同じで、職場で周りにたいして無理になじもうとはしない。だからといって、周りの状況が把握できないわけでもない。そうでなければ最年少で課長昇進はしないだろう。
彼が課長に昇進してからは、人前では敬語を使うことにしている。
はじめは「かたくるしいな」なんて言っていたけれど、「社会人としての線引き」だと話すと納得してくれたのかそれ以降はなにも言わなくなった。
「はい」
私はすぐに衣川くん、いや衣川課長のデスクへと向かった。
衣川課長と私は同期入社だ。
新卒で本社営業部に配属になったのは彼と私のふたり。途中彼が名古屋に転勤になった時期もあったけれど、こちらに戻ってきてからも同期のよしみで話をする機会は割と多いほうだ。
「この今月の営業施策の件なんだが」
「あぁ、それですが他の方からの問い合わせが多いみたいで、本日の午後に部長の名前で通達がでることになっていますが、今説明しましょうか?」
「いや、今日わかるなら通達を待つ。お前も仕事で忙しいだろう」
「お気遣いありがとうございます。では」
私は軽く頭を下げると、営業部のコピーブースへと向かった。
衣川課長とは比較的話やすい。
彼も私と同じで、職場で周りにたいして無理になじもうとはしない。だからといって、周りの状況が把握できないわけでもない。そうでなければ最年少で課長昇進はしないだろう。
彼が課長に昇進してからは、人前では敬語を使うことにしている。
はじめは「かたくるしいな」なんて言っていたけれど、「社会人としての線引き」だと話すと納得してくれたのかそれ以降はなにも言わなくなった。