社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
小さく深呼吸をすると、彼が近づいてくる足音が聞こえる。
しかし、それ以上距離縮められたくい私が話を始めると、彼は足を止めた。
「金曜のことは、申し訳なかったわ。私どうかして……」
「お酒に酔っていたなんて言い訳するために、オレをわざわざここに連れて来たんですか?」
私の言葉が終わるのを待たずに、彼のこわばった声が屋上に響いた。
「そうよ。私あのときは普通じゃなかったの。あなただって、面倒なことはゴメンでしょ? お互いなにもなかったとこにするのが、一番なのよ」
私は、動き始めたオフィス街を見下ろしながら話をする。
「お互いって、勝手にオレの気持ちまで決めないでください。オレは酔ってなんていませんでした。貴和子さんを抱きたいと思ったから、ホテルに行ったんです」
ストレートな言葉に、胸が大きな音を立てた。
「そう……だったら若林くんの思いは叶ったわけね?」
「ちが……」
「別に責めてるわけじゃないの。私は、面倒なことが嫌なだけよ。この間のは過ち。それ以上でもそれ以下でもないわ」
振り向いて彼の顔を見る。一瞬寂しそうな彼の目を見て、心が揺れ動く。
けれど、このままずるずると関係を続けるわけにはいかないのだ。
「どうして、そんなに頑ななんですか? オレは一時的な感情であなたを抱いたんじゃありません」
しかし、それ以上距離縮められたくい私が話を始めると、彼は足を止めた。
「金曜のことは、申し訳なかったわ。私どうかして……」
「お酒に酔っていたなんて言い訳するために、オレをわざわざここに連れて来たんですか?」
私の言葉が終わるのを待たずに、彼のこわばった声が屋上に響いた。
「そうよ。私あのときは普通じゃなかったの。あなただって、面倒なことはゴメンでしょ? お互いなにもなかったとこにするのが、一番なのよ」
私は、動き始めたオフィス街を見下ろしながら話をする。
「お互いって、勝手にオレの気持ちまで決めないでください。オレは酔ってなんていませんでした。貴和子さんを抱きたいと思ったから、ホテルに行ったんです」
ストレートな言葉に、胸が大きな音を立てた。
「そう……だったら若林くんの思いは叶ったわけね?」
「ちが……」
「別に責めてるわけじゃないの。私は、面倒なことが嫌なだけよ。この間のは過ち。それ以上でもそれ以下でもないわ」
振り向いて彼の顔を見る。一瞬寂しそうな彼の目を見て、心が揺れ動く。
けれど、このままずるずると関係を続けるわけにはいかないのだ。
「どうして、そんなに頑ななんですか? オレは一時的な感情であなたを抱いたんじゃありません」