普通の人間の恋


「いつも来るの急だから掃除もしてないの」


掃除もしてないと言いながら部屋は綺麗で。
けど机の上だけは汚くて今日もやっぱり置いてあった。


「・・・薬やめるって言わなかった?」

「・・怒った?」


彼女が愛用していた薬は精神病薬。

一回の薬の服用がとても多く、
一緒に出掛けるときでも薬は欠かせずに飲んでいた。


「いや、怒ってはないけど・・」


初めは何もわからなくて怒ったことがある。

お前にはお前らしさがあるから。
俺がいるから。
不安にさせないから。と

一時期、止めたことはあった。けど不安な気持ちは変わらなかったようだ。
状況はもっと酷くなり、常に声を出して泣いていた。

俺が常にいないとだめらしくて、常に俺のことを考えてるらしい。
愛されるって幸せなことだと思うけど、俺には重すぎた。


「今日はね~まだ2種類しか飲んでないの!偉いでしょ!褒めて褒めて~」

「・・そうだね」


頭を撫でてやると猫のように絡んできて、とにかく離れない。


「皐月くん大好き」

「うん」

「皐月くんは?」

「・・俺も」

「両想いって幸せ~」


付き合って6か月が経とうとしている。
そろそろきつくなってる感じはある。

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