ファジー。
間違えた恋
「理子ー、課題見せてー!」
「私が課題を人に見せれる状態であると思う?」
「思わない!
急いでやろーぜ、次俺ら当てられんじゃん、」
隣の席の高瀬晴斗(たかせはると)とは、必然的に仲良くなった。
クラスでも人気者の位置にある高瀬は、フレンドリーで、柔らかい雰囲気で
特に目立つ訳でもない私も、すぐにバカをする仲になれた。
「理子、シャーペン貸してー」
そう言いながら、高瀬はすでに横から手を伸ばし、私のペンケースの中を漁る。
「…高瀬、名前で呼ばないでって何回も言ってるじゃん」
「別にいいだろ、何が嫌なんだよ
…あ、もしかして照れてんの~?」
「はぁ!?
きもい、高瀬きもい」
…あぁ、私また可愛くない。
ここで素直に、そうだよ照れるからって言えば
私と高瀬の関係は、何か変わったりするのかな。