ファジー。





次の日の朝。

高瀬も私も、何かが違っていたのが分かった。




「おはよー、り…理子」



「高瀬、お、おはよう」



「……」


「……」



「…あー、昨日は課題なかったから楽だな」



「え?あ、そうだね」




お互いに意識している。



けど、こんなのも悪くない。




「理子、高瀬くんと何かあったでしょ!?」



「ちょっ、うるさい彩乃…!」




そして案の定、彩乃にもすぐバレた。

休み時間にトイレへ連れ出され、只今質問責め中。




「ほら、おねーさんに吐いてみなさいっ!」



「全然おねーさんじゃないし、それに、何もなかったってば」



「いーや、絶対ウソだね!

あったでしょ、イベント的な何かが!」



「イベントって何」




ここで予鈴が鳴り、ひとまず彩乃の攻撃をかわすことができた。



告白された、なんて恥ずかしすぎて言えるもんじゃない。




…ちょっとだけ、自慢したい気持ちもあるのは知ってるけど。




高瀬の隣の席に座って、いつも通り授業を受ける。



だけどやっぱり、右隣に意識がいってしまうのは仕方のないことだ。




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