ファジー。





高瀬と一番仲が良い女子と言えばきっと私だし、




話していれば、それなりにいい雰囲気になることもあったりする。




だから…もしかしたら、もしかしたらだけど



密かに、両想いなんじゃないかなあ…って自惚れているんだ。







「理子、今日俺ら委員会だろ!」




「えー、面倒い…」



「おい、何帰ろうとしてんだよ!
サボんじゃねぇぞ」



「はいはい分かってるって」




次の日の下校時刻。

今日は委員会があるらしい。
まぁ知ってたけど。
知っての上で帰ろうとしてたんだけど。




「ほら、これまとめてホチキスで留めろって。

さっき先生に会って渡された」



「うわあ、多っ」




高瀬が手にしているのは大量のプリント。



私たちは、各クラスから二名ずつの行事委員会という委員会についている



行事委員と言っても、いつも先生の手伝いをするだけの、いわば雑用係り。


しかもそれが程よく面倒なことばかり頼まれるので、全くもって不満しかない。




…と、高瀬を好きになる前まではそう思っていた。





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