ファジー。
高瀬が自分の指に絆創膏を貼ろうとするけど
うまく剥がれないみたいだ。
こいつ、何でこんなに不器用なの?
「遅い、それ貸して!」
「え、」
絆創膏を奪い取り、ついでに高瀬の手も引き寄せた。
台紙から剥がして、真ん中を傷に合わせる。
「何、やってくれてんの?」
「そう。高瀬がのろのろしてるから!
はい、できた」
ずれることもなくきれいに貼れた。
さすが私、ホチキスで怪我するようなどっかの誰かとは違う。
高瀬の指を放そうとしたら、
その絆創膏の貼った手で
私の右手をぎゅっと掴まれた。
「…………なに」
「…なんとなく、?」
指を絡められて、私の心臓は大きく波打っていく。
こんなことするから、自惚れるんだよ。
沈黙で、でも心地いい、何とも言えない空気が流れた。
「…ふっ、
赤くなってるし!」
パッと手が解放され、引っ込んでいった高瀬の左手を名残惜しく見つめる。
「うっさい!
たっ、高瀬が手ぇ掴むから!
ばかやろー!セクハラ!!」
「作業再開しよー」
頬が、あつい。