鬼常務の獲物は私!?
「ああ……癒される……。
日菜子の膝は気持ちがいいな……」
常務の顔はテーブル側を向いている。
右手はさっきから私の膝を撫でていて、ストッキング越しに伝わる常務の手の感触が、私の心臓にますます負荷を与えていた。
やがて膝を撫でるのに飽きたのか、常務の右手は移動を始める。
ゆっくりと脛から足首までを下降して、そのあと裏側に回って、ふくらはぎを撫で上げる。
ゾクゾクとした感触が足から体の中心に向けて押し寄せ、おかしな気分になりそうだった。
その気持ちに抗いながら、常務の攻撃に耐えていると、ふくらはぎから膝裏に達した常務の手が、そこでピタリと動きを止めた。
攻撃がやんでホッとしたのは一瞬のこと。
突然ガバッと身を起こした常務に驚かされ、その後はソファーの上で体をひっくり返されて、また驚いた。
なぜかソファーに膝立ちし、背もたれの上に両腕を乗せる格好にさせられた私。
首だけ捻って後ろを見ると、常務はテーブルを押しやり、床に片膝をついて私の膝裏辺りを凝視している。