鬼常務の獲物は私!?
キッチンのすぐ横にお風呂場のドアがある。
狭いワンルームの部屋なので仕方ないが、脱衣所があればいいのにと、いつも思う。
神永常務は左手で私の手首を掴み、右手でお風呂場のドアを開け、目を見開いていた。
「驚くほどに狭いな……」
常務の家のお風呂がどれくらいの広さか知らないが、確かにうちはかなり狭い。
でも、広さ1畳のスペースに、体育座りをすれば湯に浸かることのできる浴槽もついているし、私は不便を感じていない。
カルチャーショックを受けたような常務を、なにがしたいのだろうと思って、首を傾げて見ていた。
そうしたら、「まぁ、なんとか入れるだろう」と独り言が聞こえ、常務が突然スーツのジャケットを脱ぎ捨てたので驚いた。
ネクタイを片手で緩めて外し、ワイシャツも脱ぎ捨て、あっという間に上半身、裸になってしまう。
美しい筋肉質の半裸を目の当たりにして、慌てた私はクルリと後ろを向いた。
どうやらうちでシャワーを浴びるつもりのようだけど……なんで? どうして? ま、まさか……。
驚き戸惑う私の背後では、バサバサと服を脱ぎ捨てる音が続いているので、多分、下も脱いでいると思う。
絶対に後ろを振り向けない状況の中、私は固まってしまったかのように動けなくなっていた。
すると「お前も脱げ」と、もっと驚く言葉が……。