鬼常務の獲物は私!?
ネックレス以外なにも身に付けていない私の体を、常務はベッドの端に腰掛け、美術品でも見るような顔をしてじっと見つめている。
抱かれる覚悟を決めても、恥ずかしさは消えてくれない。
顔はこれ以上ないほどに赤く染まり、心臓が爆発しそうな勢いで動き続けている。
素肌を撫でるように動く彼の視線を見ていると、ついに恥ずかしさは限界に達してしまった。
もう、ダメ……。
「綺麗だ……」
常務が溜息混じりに呟くのと同時に、ドキドキしすぎの胸が苦しくて、足もとがふらつき、前のめりに倒れこんでしまう。
そんな私の体は逞しい胸でしっかりと抱きとめられ、「頑張ったな」と囁かれて、クスリと笑われてしまった。
その後はベッドに寝かされて、唇が重なり……。
初めての経験が連続して続くのに、不思議と慌てふためくことはなく、身を任せていられた。
胸に触れる手の感触にも、その頂に触れる舌先の刺激にも、恥ずかしさ以上に心地よさを感じて、自然と口から淫らな声が漏れてしまう。
肌をひと撫でされるたびに体温が上がっていく気がして、熱く火照る体の奥からは、もっと触れてほしいという欲求まで湧き上がった。
こんなに色気のない私にも、どうやら女としての欲がちゃんと備わっていたみたい……。
好きな人に抱かれるのって、こんなに気持ちがいいことなんだ……。