鬼常務の獲物は私!?
「どうした? 痛いのか?」と、神永常務が心配そうに私の顔を覗き込む。
その背中に両手を回して引き寄せ、私から唇を重ねて、微笑んだ。
「これは嬉し涙です。
なんだかとっても、幸せで……」
「そうか……俺も幸せだ」
常務が強く私を抱いて、ゆっくりゆっくり、時間をかけて進入してくる。
その間に何度もキスをくれて、「愛してる」と耳もとで囁かれ、幸せと喜びにどっぷり浸っていたら……「全部入ったぞ」と言われて驚いた。
「あれ? 痛くなかったです……」
さっきは激痛で、思わず拒絶してしまったほどなのに、今は平気。下腹部に圧迫感を感じるだけで、痛くない。
「日菜子、さっきは痛い思いをさせて悪かったな。処女だと知っていたなら、最初からこうしていた。
これからはお前の気持ちを確かめ、お前のペースに合わせるから」
気遣ってくれる優しさはとても嬉しいが、私のペースに合わせるのは、やめておいた方がいい気もするのだけれど……。
神永常務が私と一緒に、のろのろと行動している姿を想像してしまった。
のろまな上に、一緒につまずいて転んだりして……。