鬼常務の獲物は私!?



思わずフフッと声に出して笑ってしまったら、「随分と余裕じゃないか」と言われ、常務がニヤリと笑う。


「痛みもないようだし、それならここからは、俺のペースで攻めるぞ」

「えっ⁉︎ あ、あの、今、私のペースに合わせてくれるって言ったばかりな……あっ、ああっ‼︎」


今まで味わったことのない感覚が、繋がる部分から脳へと流れ込んでくる。

少し痛いけれど、それ以上に気持ちよくて、もう少し速度を抑えて欲しいけれど、もっと激しくしてほしい気持ちにもなり……。

なにがなんだか分からない快感に襲われて、頭の中がたちまち真っ白になってしまう。

必死にしがみつくしかできない私の耳に、温かい声が忍び込む。


「日菜子……お前に出会えてよかった……愛してる……」


「私も……」と言いたくても、口からは喘ぎ声しか出てこない。

喜びの中で視界は霞んで見えなくなり、幸せの中で私は意識を手放したーーーー。





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