鬼常務の獲物は私!?



猫カフェなので、床にも棚にも、椅子の上にも、あちこちに色んな毛色の猫がいる。

食べ終えたら一緒に遊ぶ気満々でいたのだが、騒いでいたら警戒して、近寄ってきてくれなくなってしまう。

そんなふうに猫を気にする私に、ピンクのスイッチが入ってしまった皆さんは、興味津々で質問をぶつけてきた。


「ね、ね、抱き心地ってことは、もう一線越えたってことだよね?」

「スーツの下の体はどんな感じ?
瘦せ型? 細マッチョ? 意外とお腹がポッコリしてたり……それはないか」

「下着は? ボクサーパンツ? まさかのブーメランパンツ? エッチはノーマル?」

「あ、あ、あ、あの……」


いくら貸し切りとはいえ、店員さんはいる。

チラリと店の奥を気にすると、エプロン姿のお姉さんたちは、聞いていないよと言うように、一斉に体を横に向けた。

でも、耳はこっちに向いている気が……。


答え難い質問が次々と浴びせられて、うろたえてしまう私。

すると、ひとりだけスイーツではなく、カツカレーを食べていた星乃ちゃんが、私に代わって答えてくれた。


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