鬼常務の獲物は私!?
今朝、出勤するとすぐに星乃ちゃんに捕まって、常務とどうなったのかを問いただされた。
本当は昨日の夜に電話で聞きたかったらしいけれど、私と常務がいい雰囲気になっていたら邪魔することになるので、我慢したそうだ。
それで、朝イチで私からの報告を聞くつもりでいた星乃ちゃんだったが、そうはいかなかった。
私の周りは人だかりができていた。
営業部の皆んなが心配して声をかけてくれるから、星乃ちゃんの質問に答えない内に業務が始まり、話すに話せなくなってしまったのだ。
きっと星乃ちゃんは午前中ずっとイライラしていたのだろう。
早くことの顛末を聞かせろと、星乃ちゃんの目がギラついていた。
「さあ日菜、全てを話しなさい!」
テーブル越しに私に迫る星乃ちゃんに釣られて、他の女子社員たちも期待値高めの視線を送ってきた。
こんな状況でとろい私が逃げられるはずもなく、恥かしさに顔を赤らめつつ説明した。
「神永常務に……えっと……俺の女にならないかと言われて……押し倒されました……」