鬼常務の獲物は私!?
「へ……?」
裸エプロンって、もしかして……裸の上にエプロンだけを着ている姿ってこと⁉︎
裸じゃなくて、ブラジャーとパンツは身に付けている。
でも、正面から見るとエプロンに隠されてしまうので、裸を想像させるのかも。
急いで「違います! 下着エプロンです」と訂正したが、ニヤリと笑う常務に「それも好きだ」と言われただけだった。
バスルームの扉に、背をあて立っている私。
常務は足もとに仕事用の黒い鞄を下ろすと、私との距離を一歩詰めた。
左肘を私の顔横につき、端正な顔を斜めに傾けて、ゆっくりと接近してくる。
急に色香を大放出させるその瞳にクラクラして、私の鼓動も急激に速度を上げていった。
一緒に暮らすようになってキスは数え切れないほどにしているのに、いつもこうしてドキドキしてしまう……。
唇が軽く触れて、離れて、また触れて……チュッとリップ音を立てて唇が離された後に、「舌を出せ」と命じられた。
運動している訳じゃないのに、呼吸が乱され、速く浅く、熱くなる。
心臓をフル稼働させつつ、舌を覗かせると……彼の舌先に撫でられ、しゃぶられ、それから深く口づけて、口内を掻き回された。