足をください
思わず見てしまった
声の主…と 思われるその人を…
青白い顔に付いている二つの目が確実に私の目を捕らえていた
雨でビショビショのその人は泣いているようにも見えた
「…足をください
あなたの足を…僕に足をください…」
あ…足…?
ふと足を見る
「っ…!?」
声が出なかった
え…うそ…足がない…!!
足が無いのに立ってる…
うそ 幽霊?オバケ…?
ゆっくりと目線を上げるとその右手には鎌を持っていた
「い……いやぁぁあああ!!!」