仲間ってなんだろう
「2人ともいい子よ。大丈夫だからね。」
「はい。分かってます。」
「分かってるって?」
瑞希が聞き返すと、後ろを歩いていた男の子はニコッと笑った。
「2人のうちの1人と面識があるんですよ。小さい頃に僕が引っ越すまですぐ隣に住んでいて。
会うのは10年ぶりぐらいですかね。」
それを聞いて瑞希はすぐに笑顔になった。
「それはすごい偶然ね!良かったわ。これであの子達も安心して活動できるわね。
あなたの経験はとてもプラスになると思うの。私達と一緒に頑張っていきましょう、多田 晴樹君。」
「はい。よろしくお願いします、瑞希さん。」
瑞希はニコッと笑うと1つの扉の前で立ち止まった。
中からは明るい音楽と、誰かがリズムをとる音が聞こえてくる。
「ここよ。」
晴樹が落ち着くように息をはいた時、中の音楽が止まった。
『よし、歌と合わせてみよ!』
『うん!私達の初めての歌だから大事にしようね、沙羅!』
女の子の声が聞こえ、春樹は呟いた。
「初めての……」
しばらくして始まったのは、今さっき流れていた音楽だった。
『 誰が何を言おうと気にしなくていい
自分を信じて走り続ける
光を見て手を伸ばせばいい
「眩しいから」ってうつむかなければ
光を追うんだ Starlightを
それは自分が掴むべき未来
諦めずに何度でも立ち上がって行こう
I'll be the star of all 』
「良いわね。さすが沙羅と美那だわ。」
瑞希につられて春樹も笑顔になった。