仲間ってなんだろう
紗羅の声に瑞希は少し笑って元来た道を帰って行った。
「…晴樹でいい?」
「もちろん!昔そう呼んでたじゃん。」
「そーだっけ?」
2人は笑った。
2人は幼馴染みと言っても幼稚園、小学校と同じで家が近所だっただけで、話はしたが特別仲がいいわけでもなかった。
だから上手く話せるのかお互い心配なところもあったが、何とか上手く行きそうだ。
「入って。美那いるよ。」
「どこか行こうとしてたんじゃないの?」
「晴樹が来たからもういいや。瑞希さんが遅いから見に行こうとしてたの。」
「そっか。」
紗羅と晴樹が部屋に入ると、美那がキラキラした目で2人を眺めていた。
「おおお!来た来た!」
美那は晴樹に駆け寄ると、その手を掴んでブンブン振った。
「あたし、美那!柴崎 美那!よろしくね!」
「よろしく。」
晴樹も美那の明るい表情に自然に笑顔になった。
「幼馴染みで同じグループなんてびっくりよね!2人で話し込んであたしを置いていったりしないでね?」
「大丈夫だって。幼馴染みって言っても家が近かったことぐらいしか接点ないから。」
紗羅が言うと晴樹も頷いた。
それから3人の会話はしばらく続いた。
みんな自分の意思で芸能界に入っただけあって、元から気は合うらしい。