仲間ってなんだろう
その雑誌の表紙にうつるStarlightの3人の笑顔からは、グループ内で関係があまり上手くいってないことなんてまったく察しがつかない。
「美那もそんなに頻繁に突っかかってくるわけじゃないし、話してて楽しい時も、仲間だって思える時もあるから。
でもよく1年ももったと思う。
リーダーとしてちゃんとまとめていかないといけないのも、こんなこと思っちゃいけないってことも分かってる。
だけどリーダーだからって考えると、それがまた重く感じて……」
沙羅は今にも泣き出しそうな顔をして俯いた。
「怖い。ちゃんと話さなきゃいけないって、ソロのことも伝えなきゃいけないって……だけど2人の反応が怖い。
なんでお前だけって、思われたらどうしよう。」
「でも、沙羅は挑戦したいって思ってるんだろう?」
正樹の言葉に沙羅は驚いて顔を上げた。
「…何で?」
「1年間君達のことを見てきたんだよ?」
正樹は沙羅に笑顔を見せた。
不安で押しつぶされそうになっている沙羅を、なんとか安心させてやりたかった。
「…勇気を出して話してみてごらん。
そりゃあ、僕は神様じゃないから絶対大丈夫って言ってあげることは出来ないけど、勇気を出してやってみるんだ。
そしてその後どうなっても、後悔はしないものだよ。」
正樹はギュッと自分の右腕を掴んだ。
沙羅は何度か正樹のこの行動を見たことがあったが、それがなんなのかは腕を隠す長袖のせいで分からなかった。
「…君には、このまま我慢し続けるなんてそんな辛いことして欲しくない。
それはきっと後で後悔することになる。」
正樹は相変わらず笑っていたが、その笑顔は苦しそうだった。
「マサ、さん……?」
「……そんな思いをするのは、僕1人で十分なんだよ。」