仲間ってなんだろう

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『Starlight、1周年アルバム発売と同時にリーダーSaraのグループ脱退を公表!』




その事実は雑誌や新聞だけでなく、テレビ番組やインターネットでも公表された。




それまで頻繁に出演していたテレビ番組でもStarlightとして出演するのはMinaとHarukiだけになり、事務所が開催するイベントにもSaraの姿はなかった。





『ええ!Sara芸能界辞めちゃうの!?』




『芸能界は辞めないっしょ?だって公表されたのは脱退ってだけだし。』




『でもリーダー抜けるとかマジあり得ねぇ。』




『ほんとほんと!!3人揃ってのStarlightだよね!Saraかえってきて!』




『1年でリーダー脱退とか早すぎ。』



「……ごめん。沙羅。」




「ん?何が?」




いろいろな言葉が並ぶ携帯から顔を上げた晴樹の突然の言葉に、沙羅はにっこり笑って見せた。




「俺、どっちの肩もつとか、そういうことしたいんじゃなくて……」




「分かってるよ。MinaはHarukiがいないと、1人でやってけないでしょ。」





何とか保っていたバランスが崩壊して今までのStarlightを維持していけなくなった時、3人に与えられた課題は「これからどうするか」を考えることだった。





晴樹や瑞希は何度も、これまで通りStarlightを続けていこうと説得し続けたが、沙羅と美那がどうしても首を縦に振らないのを見て解散することを提案した。





しかしそれにも2人は反対だった。




Saraはこうなった原因は自分にあると思っていたし、どうしてもStarlightを解散させたくはなかった。





Minaもこれまで築き上げてきた自分達の地位が世間から消えてなくなってしまうのを恐れていた。





そうなれば、選択肢はなかった。




『SaraかMinaのどちらかが、Starlightを脱退するしかない。』





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