仲間ってなんだろう
沙羅が赤い目をこすりながら4週間前の喧嘩のことをすべて話すと、正樹は俯いてため息をついた。
「………大変、だったね。ごめんね。側にいてやれなくて。」
「ううん。来なかったのはあたしだから。」
沙羅は俯いたまま首を振った。
「…晴樹がね、美那を選んだこともショックだったんだ。
ずっと会ってなかったって言ったって、幼馴染みなのに……」
しかしそんなわがままを晴樹に押し付けるわけにはいかなかった。
晴樹は何度も沙羅に謝っていた。
自分でも散々悩んだはずだ。
「でもね、マサさん!」
正樹が顔を上げると、沙羅は今にも泣き出しそうな顔で笑っていた。
「あたしね、マサさんの言った通り後悔はしなかったよ。
こうなるって分かってても、自分の気持ちを伝えたと思う。
そうじゃないと、一生後悔したと思うから。」
沙羅の言葉に正樹も笑顔を見せた。
「うん。でも、僕の前では無理して笑わなくていいんだからね?」
「うん。ありがとマサさん。」
正樹がポンポンと沙羅の頭を撫でると沙羅は笑った。
「まだちょっと目が赤いな。
目を冷やして、お茶飲んで落ち着いて、それから記者会見まで走ろうか。」
正樹は壁にかかった時計を見た。
まだ記者会見まで30分はある。
「…もう1つ、相談があってきたんだ。」
「ん?」