仲間ってなんだろう
その目は少し楽しげで、正樹にとって仁はかけがえのない人らしかった。
「最初はこんな変な人どこ探してもいないと思ったね。
だけど、記者になりたい!ってキラキラした目で話してくれる先輩をかっこいいと思ったんだ。
夢をこんなにまっすぐ追いかけてるなんて、昔の自分に似てるなぁって。
先輩に出会ったから、僕はこの大好きな世界から離れないで済んでる。
こんな大怪我しても、それでもこの世界に居たいと思ったんだ。」
沙羅は目を見開いて正樹を見た。
自分の過去を話してくれた正樹は辛いものながらもキラキラして見えた。
「沙羅にとって、この世界はその程度のもの?」
正樹が首を傾げたのを見て、沙羅は我にかえった。
「この、世界……」
正樹は頷いた。
「Starlightも何もない時、1人でやっていこうと思ってたって、言ってたろ?
その時はこの世界がキラキラして見えなかった?」
「見え、た……。歌手は私の憧れの存在だったの。」
それを聞いて正樹は嬉しそうに笑った。
「もうStarlightは沙羅とは何の関係もないんだから、気にせず自分の夢、追いかけなよ。」
〝僕と先輩で、ずっと追いかけて応援し続けるから〟
その声は温かく静かに、この4週間で凍りついた沙羅の心に響いていった。