仲間ってなんだろう
その時、晴樹が顔をあげて紗羅と目が合った。
紗羅は慌てて目を逸らしたが晴樹は構わず紗羅を見つめる。
「……晴樹?」
晴樹が我に返ったのは美那に声をかけられてからだった。
「ん?」
美那は晴樹の視線を追ってそこに紗羅がいることが分かると、明らかに顔をしかめて晴樹の服を引っ張った。
「いこーよ。休憩しよ。」
「……うん。」
2人が行ってしまうと、沙羅はため息をついた。
「………あたし、逃げてばっかだなぁ。」
それはこの5年間ずっと思っていたことだった。
テレビや仕事場でStarlightを見る度に昔のことを思い出し、目をそらしてしまうのだ。
正樹や仁はそれを「仕方のないこと」と言ったが、沙羅自身はそう思っていなかった。
仲直りをしたいとは言わない。
だけど顔を合わせられない今の状況だけでもどうにかしたかった。
「……今は集中しよ。」
沙羅は一つため息をつくと舞台に視線を戻した。