仲間ってなんだろう
ため息の止まらない晴樹を見て次は美那がため息をついた。
「……沙羅のこと考えてるでしょ。」
「え?あ、いや……」
「嘘言わないでよ。もう私達6年も一緒にいるんだよ?」
美那の言葉に晴樹は言い返すことが出来なかった。
「……Saraが抜けてから2人で話したじゃない。Saraのことは忘れようって。」
「ああ。でもそれはStarlightの路線についてだよ。
人間関係はまた別だろ。
Saraを忘れるんであって、沙羅を忘れるわけじゃない。」
「ややこしいのよ。」
美那はそう呟いて顔をしかめた。
美那は晴樹が何で沙羅を忘れることができないのかよく分かっていた。
それは沙羅がシンガーソングライターとして成功して仕事場でもよく会うから、ではない。
美那はそれを口に出して認められることが怖かった。
「……きっと、Saraがリーダーだったからだよ。
だから沙羅の存在が大きく感じるんだよ。」
(晴樹は、ずっと沙羅のことが好き。)
そんなこと美那は分かりきっていた。
「い、今は私がリーダーなんだから……」
「いや、そういうのじゃないと思う。」
じゃあ何かって言われたら分からないけど。と付け加えて晴樹は何度目か分からないため息をついた。
「……仲直り、したいんだと思う。」
晴樹はボソッと呟いた。
「………」
美那は俯いて唇を噛んだ。