仲間ってなんだろう
そのとき、教室の中から担任の先生の声が聞こえてきた。
『えーと、みんな知っての通りこの学園を受験するときに音楽部、ダンス部、総合部を選んだと思う。クラスはみんな混ざって入ってるけど、選択授業は別れてもらうからな。
今もうすでに活動している人もいれば今からって人もいると思うけど、芸能界以外にも声優になった人もいるし、舞台オンリーで活躍してる先輩もいるからな。
それぞれみんなで刺激しあって成長して欲しい。』
その聞こえてくる声は若い男性の声だったのだが、その声を聞いて紗羅はブルッと体を震わせた。
「入学そうそう、担任の先生が怖いと思うなんて…」
遅刻したことを既に怒られてここに立たされていることを悟った美那は紗羅のその言葉には触れなかった。
「…紗羅は、音楽部?」
「そうだよ。高校生になったら活動を始めるつもりだったからここを受験したの。」
「一緒だ!私はダンス専門なんだ~。あ、でも歌も好きだよ。」
「じゃあ選択は違うね。」
「でもいいじゃない。クラス一緒なんだからいっぱい喋ろ!」
美那の笑顔に沙羅も自然に笑顔になっていた。
(この子と話してると、楽だなぁ)
沙羅は気付けばそう思っていた。