仲間ってなんだろう

「それ、本当ですか?」




「もちろん。」




晴樹は瑞希の言うことが簡単に信じられなくて聞き返していた。




「Starlightのこれまでを振り返るドラマのオファーが来たの。

結成当初の頃の場面は若い子達にやってもらうけど、現在の場面はあなた達が俳優よ。」




「だ、だけどSaraは諸事情により脱退ってことになってるんですよ?

グループ内でいざこざがあったなんて知れたら……」




「私も心配だったんだけど、そこはドラマ上の設定という事で話がついたわ。

諸事情のところをドラマっぽく演出ですって。」





事実が演出としてドラマになるというのは少し抵抗があったが、晴樹はそれより気になることがもう1つあった。





「……さ、紗羅ももちろん出演しますよね?」




「ええ。何でも紗羅の知人の方からこのドラマの提案があったんですって。


その方が紗羅を説得して、OKの返事が来たからこっちに申請したらしいの。

……同じグループだったから気まずいかもしれないけど、やってくれる?」




もちろん、晴樹はこの話に乗り気だった。



紗羅に会える。



そう思っただけで胸が高鳴るのを感じた。



しかし今のStarlightのリーダーはMinaだ。



美那の賛成もなければどうにもならない。




「俺は大丈夫ですけど美那が……」




「そうなのよ~。私もそれが引っかかってたの!」




瑞希は「はぁ」と深いため息をついた。




「元々は美那とのいざこざだものね。どうにかして受けてくれないかなぁ。」




「……説得してみます。俺は、ドラマやりたいですし。」




「晴樹、お願いするわ。」





< 51 / 86 >

この作品をシェア

pagetop