仲間ってなんだろう
「それ、本当ですか?」
「もちろん。」
晴樹は瑞希の言うことが簡単に信じられなくて聞き返していた。
「Starlightのこれまでを振り返るドラマのオファーが来たの。
結成当初の頃の場面は若い子達にやってもらうけど、現在の場面はあなた達が俳優よ。」
「だ、だけどSaraは諸事情により脱退ってことになってるんですよ?
グループ内でいざこざがあったなんて知れたら……」
「私も心配だったんだけど、そこはドラマ上の設定という事で話がついたわ。
諸事情のところをドラマっぽく演出ですって。」
事実が演出としてドラマになるというのは少し抵抗があったが、晴樹はそれより気になることがもう1つあった。
「……さ、紗羅ももちろん出演しますよね?」
「ええ。何でも紗羅の知人の方からこのドラマの提案があったんですって。
その方が紗羅を説得して、OKの返事が来たからこっちに申請したらしいの。
……同じグループだったから気まずいかもしれないけど、やってくれる?」
もちろん、晴樹はこの話に乗り気だった。
紗羅に会える。
そう思っただけで胸が高鳴るのを感じた。
しかし今のStarlightのリーダーはMinaだ。
美那の賛成もなければどうにもならない。
「俺は大丈夫ですけど美那が……」
「そうなのよ~。私もそれが引っかかってたの!」
瑞希は「はぁ」と深いため息をついた。
「元々は美那とのいざこざだものね。どうにかして受けてくれないかなぁ。」
「……説得してみます。俺は、ドラマやりたいですし。」
「晴樹、お願いするわ。」