仲間ってなんだろう
「……え?」
美那はまた驚いて沙羅を見た。
晴樹も同じで、沙羅からそんなことを言い出すなんて思っていなかったみたいだ。
「美那があたしのこと嫌いなのは知ってる。あたしも、嫌いだし。」
「さ、沙羅……」
晴樹が慌てて制しても、沙羅はじっと美那を見つめて言った。
「でも、撮影の間だけ無し。そうしよ?
別に最小限話せたらそれでいいんだしさ。
……このまま歪み続けて撮影始まるなんて、晴樹にも失礼だよ。」
沙羅が少し俯いたのを見て、晴樹は息を飲んだ。
「俺も……2人が話してくれると、嬉しい。」
晴樹は気づけばそう言っていた。
これは晴樹にはチャンスだった。
「関係者の皆さん!集まって下さい!」
美那が何か言おうとした時、そんな声が辺りに響いた。
「………じゃあ。」
「………っ、沙羅!」
沙羅を呼び止めたのは美那だった。
その声に沙羅は驚いて振り返った。
「分かった……。話そう、また3人で。」
美那は自分でも顔が真っ赤になるにを感じた。
今までずっと敵対心を抱いてきた沙羅に、こんなこと言う日が来るなんて思いもしなかった。
それでも今までの気持ちがなくなったわけではない。
ただ今まで話せなかった分、話せたらと思った。
美那の心境が変化してきた証拠だった。
「………話すというか、は、話したい………」