仲間ってなんだろう


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「さーらー?どこ行くの~?」




沙羅が教室を出ようとしたとき、美那が声をかけた。




「ちょっと図書室行ってくる~!」




「あ、じゃあ私も行っていい?ちょうど返したい本が…」




入学してからまだ1ヶ月。



2人は入学初日から親友のように仲良くなり、今ではこんなことも言い合うようになった。



「ねえ、美那。ダンスどんなのにするか決まった?デビューまでもうちょっとだよ!」




2人はデビューのために入学する前から所属していた事務所がたまたま同じだったこともあり、一緒にデビューすることまで考えるようになった。




「それがあまり上手くまとまらないの。

後ろにもう1人ぐらい大きい人がいたら上手くいくんだけど。沙羅は?歌の方どう?」




2人が考えたのは沙羅が考えた歌に美那がダンスをつける、ということだった。



2人でグループを作ってデビューする。



それが今この2人の夢になっていた。




「美那に言われたとこ、変えてみたから後で聞いてくれる?」




「うん、もちろん!本返し終わったら事務所行こーか。」




美那の言葉に沙羅も頷いた。





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