仲間ってなんだろう
「あなた達のグループに、もう1人追加するわ。急でごめんなさいね。
だけどとってもいい子よ。あなた達もきっと仲良くなれると思う!」
それから2人に起こったのは、しばらくの沈黙だった。
「も、もう1人?」
「ええ。ペアーでデビューしたいって言うあなた達の希望には添えないことは謝る。
急なことで私も驚いたわ。
でもその子は小学生の頃からモデルとして活動してる子だからこの世界のこともよく知ってるし、きっとあなた達の助けになってくれると思うの。年はあなた達と同じ。
この事務所に所属する人は全員夢見ヶ丘学園に入学してもらったから学校も同じはずよ。
えーと…たしか総合部だったかな。」
それを聞いて2人が想像したのは、美人な背の高いモデル体型。
「ねえ美那。後ろに1人背の高い人がいたらダンス完成するって言ってなかった?」
紗羅は美那を見てニコッと笑った。
「うん!楽しみだね、どんな子なんだろう!」
紗羅の笑顔も美那の明るい声も、2人にとっては心からのものだった。
2人にとってもう1人入ることは刺激にもなり、仲間が増えること自体嫌なことではなかった。
「その人とはいつ会えますか?」
「そうねぇ…会おうと思えば今日でも会えるわ。どうする?」
「「会いたいです!」」
瑞希は2人の声が重なったのを聞いて声を上げて笑った。
「分かったわ。連れてくるから、2人は練習でもしておいて貰える?どうせそのために今日は来たんでしょ?」
「はい。」