いつでも傍にいるから。
「…ねえ美穂」
「なあに?」
「本当になんとなく?」
「なんとなくだって!」
亜紀がまだその話題に食いついているので、私はもう吐き出すように言った。
彼女は私の顔を見つめて何を考えているのだろうか。
そんなに私の言葉が信じられないのかな?
「……今日さ、転校性が来るの知ってる?」
「え・・・?」
彼女の言葉に少しドキッとした。
「し、知らなかった……」
「もしさ……違ってたら悪いんだけど、夢でその人の事見たとか?」
「予知夢って言いたいの? 違うよ。ただ、本当になんとなくその人の顔を思い出しただけで・・・」
彼女は、今日来る転校生がもしかしたら私の好きだった人だと言いたいのだろうか。
「本当に大丈夫。その人は今、外国に留学しているはずだから」
これは、母から聞いた話だ。
その人のお母さんとまだ連絡を取り合っているらしい。
「そっか」
亜紀はやっと微笑んでくれた。