いつでも傍にいるから。
しかし、綾崎という名字ではなかったはずだ。
確か、川村……。
ここにいる人は川村隼という、私が恋した幼馴染ではない。
彼は、私の丁度前の席・・・つまり、亜紀の隣の席に座ることになった。
彼が席に着くとき、ふわっと花のような甘い香りがした。
花とはほぼ無関係の私は、その香りは何のものなのかわからなかったが・・・。
そして彼は席に着くと、周りの人全員に挨拶をしてくれた。
私も、例外ではない。
「……よろしく」
「よろしく」
その時、彼の目が見えた。
日光に照らされ、透き通ったように輝く色素の薄い茶色の瞳。
……川村隼人もそんな色だったはずだった。