Christmas Rose


翌朝、アリスとシドはレオの家に泊まった。


ルイは一足早くギルティへ戻り、アリスとレオは変装して街へ出た。


朝早くから広場には人が大勢集まっていた。




「・・出てるな。」



王室の紋章が記された用紙に、今日の11時より時期国王アラン王子から
国民へ挨拶の言葉を述べる、と記されている。




―――


「駄目よ!外へ出ては駄目・・!」



ソフィアは朝から猛反対していた。



「・・・もう少し辛抱するの。そうすれば、国民もいつかきっと・・・」


アランはソフィアの肩に手を置いた。



「・・ソフィア。」


真っすぐにソフィアの瞳を見つめるアラン。



ソフィアの瞳からはポロポロと涙が零れた。



「ソフィア、私はソフィアと力を合わせてアステルをいい国にしたいと心から思っている。」


アランは優しく微笑んだ。



11時近くなると、門が開放された王宮で、アランが言葉を述べる場所となっている二階のテラス前には大勢の国民が押し寄せていた。


国王に就任してから一度も国民の前に出ていなかったアランの姿に皆が注目していた。


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